モノクロで鋭くなる世界がそこにある

誰にも触れられぬ闇の中で泳ぐ存在たち
人間という名前の獣達の群像劇

街灯の光が消えた午後七時半
駅前で立ち尽くす男の影が伸びる
スマホ画面には未開封の箱入り漫画
今更ながらあの世から届いた手紙みたいだ

狩人はいつも刃よりも深い場所を目指してる
知識と愚かさが交差する瞬間に現われる
師弟の境界線が揺らいでいくような
息遣いが耳元まで聞こえそうになる

トイレットペーパーの端っこに刻まれた傷跡
その奥底に埋まった願いや憎しみが
どこかで爆発しているように感じる
毎晩のように訪れる夢の中の迷宮

生きていること自体がゲームみたいな
命の代償として支払う税金
そんなものが見える目を持つ者は
すでに死んでいるのかもしれない

いつしか心臓が震えるようになった
ページを捲れば新たな地平が開ける
知らず知らずのうちに攫われるように
終わらせられない物語に囚われてる

今すぐ探すべきはそれだけでいい
電車の中でもできるほどの重量級エンタメ
いくつかのオンライン書店なら
いつもの日常の中に潜む穴へ誘ってくれる

静かな部屋に響く呼吸音
本棚の隙间から漏れてくるのは
この世界の微塵にも満たない事実だった
それでもなぜか胸が締め付かる
まるで誰かの過去を盗んでしまったよう

エピソード一つひとつが
砂漠の蜃気楼のように浮遊していた
だが触れると確かな温度を持っていた
失敗とか挫折とか叫び声とか
全てが無垢な子供の手で描かれている気がした

朝焼けの空を見上げて気づく
この物語が教えてくれるのは
正解なんて存在しないということ
そして永遠に求め続けることが
人生唯一の答えだと

夕暮れ時のホームルートに乗って
同じ事を繰り返す人々を見て思う
彼らは全員が何かを探している
ただそれを忘れてしまっているだけなのかも知れない

夜中の一冊目のページを開けば
もう二度と戻せなくなる程
信じたくもないのに信じてしまう
これは単なるコミックじゃない
人類の本能を突きつけられる
毒針のような文体と装丁が
眠気を吹き飛ばしてくれるのだ

だからこそ読まずに過ごせる日々とは
別次元の時間なんだろうね
そこにあるのは純粋な欲望の塊
そして誰しもある時点で
自分の限界と向き合うしかないんだろう
それがきっと
どんなに暗かったとしても
始まりであり終わりであるのだから

深夜の駅構内で立ち尽くす男たちの影が交錯する瞬間がある
まるで黒板擦と同じように拭えぬ傷跡が胸につきながら
不完全でも完璧でもないその姿が
どこかで自分自身を感じさせる

サバイバルゲームという形骸の中で育った少年少女たちは
いつも通りの日常よりも幾千倍鋭い目を持っている
その瞳の中には未来への地図がないわけではない
むしろそれより遥かに重要なものを見つけ出してきたからだ

ある日の放課後 無理矢理連れ出された教室へ続く階段を上がるとき
突然背中に感じる体温が震えるほど近づいてくる
互いに未練と不安を飲み干しながら歩いた道は
結局どちらにも届かない場所だった

現実逃避と生存競争が混ざり合った空間で
最も美しい光景というのは
相手の痛みを共にするために頬を歪ませることかもしれない
そんな些細な出来事さえも
モノクロームの世界ならではの密度を持つ

雨上がりの街角で偶然出会う老若男女が共有する仕草
笑顔ではなくとも そっと差し伸べられたハンカチの温もり
そういったものたちが作り出す微かな波紋は
すべてが失敗と呼んでいいほどの刹那であった

読後の喉仏が乾燥するのは
あの世行きの船が出港したような寂しさ 때문ではない
もっと深層に潜んでいる
人間という生き物が抱きしめられないものを必死に探すことへの
悲劇的な快楽

いつしか本棚に戻ってきた物語に新たな蓋をしてみると
またしても開封されるのが怖くなった
それでも必要不可欠すぎて
毎晩ベッドサイドに置いているわけだし

このような時間を過ごしてきた末にようやく理解できる

ちなみに配信はDMMブックス、Kindle、BOOK☆WALKERあたりで読める。

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