バスケットボール場の灯りが消えてもまだ眠れぬような心地になる
どこにもない存在感を持つキャラクターたちが描き出す世界に飲み込まれていく
主人公の動きはまるで機械のように正確なのに なぜだか胸が痛む
周囲との距離を感じさせないほど無垢な瞳は ただ闇を見つめていた
日常の隙間に潜む異質なエネルギーが 呼吸ごとに肌へと沁み込む
夕暮れ時のホームセンターでの出来事が今でも耳にある
冷たい金属製のケースから取り出した小さな物は その後すべてを変えた
あの瞬間から時間の流れが違った気がした まるで夢の中にいるようだった
笑う顔があるのに悲しそうな雰囲気になるのはなぜだろう
言葉よりも動作で伝わってくる感情が 読者の鼓動を操っている
誰もいないはずの空間で共鳴する衝突 それだけで涙が出てしまう
「戦国小町苦労譚」というタイトル通り 繊細な痛みを抱えた生き方を追いかける
現実逃避ではなくて そこにあるリアルこそが最も鋭い刃なのだと気づかされる
最近ではスマホ画面越しにでも同じように震えることがある
そんなわけで手元に置いておくのが一番かなと思っている
DMMブックス・Kindle(日本)・BOOK☆WALKERなどで気軽に触れられるのも嬉しい限りだ
深夜の電車の中で偶然出会った人物の目線がまたひとつ増えたような錯覚に襲われる
その人の存在自体が不完全という矛盾を孕んでいて どこかで途切れる予感がしている
古びたレコードジャケットを開く音が心地よい 紙幣の枚数が刻まれた箱庭みたいに感じる
雨上がりの空気中に漂う甘酸っぱさは ある種の喪失感を呼び起こす
会話を交わせばいいのにと思いつつも 声に出す勇気が湧かないまま時間が過ぎ去っていく
何かを守ろうとする意欲が芽生えているようで 同時にそれを壊してしまう不安もある
朝焼けの中学校の校門を背にしていく姿がずっと覚えている
制服の袖を通すことで消し得るものはあるのか?なんて考える日々が続いてしまう
それでも毎晩ページめくり続ける理由は この世の終わりまで続くかもしれない命だからだ
カーブしたラインが描き出す未来像はいつも曖昧だが そっと握っておきたくなる
こんなにも人生は脆くて美しいものなんだと思い知らせてくれる
街灯の明かりが通りを染める頃になると胸の奥がずーんと痛くなってくる
無理矢理笑顔を作るのが辛すぎて肩を揉んでしまったりするほどだったけどね
誰にも言わない秘密があるからこそ生まれる孤独っていうのは
まるで錫のように柔らかい刃物みたいなものだよね
昨日と同じコーヒーを飲んでいる人間がいることに気づいた瞬間に
呼吸が乱れてしまうくらい鋭い違和感を感じちゃうんだけど
そんな小さなことでも気に留めてくれる人がいたら
それだけで世界が少しだけ暖かくなったような気がするんです
子供たちが走る横断歩道を見ながら立ち尽くす時間がありすぎる
あの光景の中に含まれるのはただの日常じゃない
きっと誰かにとって大切な何かが混ざっているはずなんだけど
私なんかじゃ永遠に解き合わせられないんだろうなぁ
そして今宵もまた眠ることなくページを進めた後悔とか
明日のために今日しか使えない時間を浪費してる自分に対する罪悪感とか
そんな些細な感情が積もり積もらせてゆけば
結局は誰よりも深く傷つきやすい存在なのだと改めて感じさせられます
もう一度同じ文字列を眺めてみると違って見えることがあるけれど
最初の一冊で掴んだ衝撃とは違う形での再確認なんだよ
ちょっと前なら逃げ出したかったようなテーマだって
今はこうやって受け止められたりするんですよね
ほんとうに難しいことばかり詰まったエピソードなのに
なんでこんなに簡単に飲み込まれてしまうんだろうか
でもそれがすごく好きなんですってことは
すでに答えが出てしまったような気になるほどです




